スタディツアーに参加して 大阪大学2回生 山口 直樹

「自分の魂がワクワクする方へ行けば良いと思うよ」
自分が悩んだり、考え込んだりするときに思い出す恩師の言葉があります。この言葉の通り、このインドへのスタディツアーのパンフレットを見たときに、「ここに行こう!」そう思いました。気付いた時には、それまでに入っていた予定をすべてキャンセルし、インドへ行くため、ひたすらバイトに明け暮れていました。
 もともと途上国支援や貧困問題などに関心があり、今の学科(国際公共政策学科)に入ったのですが、自分自身“途上国”と呼ばれる国に実際に行ったことはこれまでなく、本やテレビなどを通して、2次的な情報をもとに“途上国”というイメージを自分の中で勝手に作っていました。しかし、インドで出会った人や目で見たもの、肌で感じたものは、それまでの自分自身が描いていたイメージとは異なったものでした。

 「ぴるみれんげ~(またね!)」異国の地で初めて出会った教室の子供たちはもちろん、服屋の兄ちゃん、トゥクトゥクのおっちゃん、スーパーのおじさん、朝から一緒にサッカーをしてくれたおっちゃん達、、、まるで昔からの友人のように、別れ際にはこの言葉が飛び交っていました。良く言えばとてもフレンドリーで、時には慣れなれしすぎるんじゃないか?と思うほど、インド人の人たちは人懐っこく、良い意味で人間臭い国だな。これが、私がインドから帰ってきた今、まず最初に思い浮かぶインドの印象です。

 「インドに行けば価値観が変わる」私自身よく耳にする言葉です。では、私自身の価値観がこのスタディツアーを通して変わったのか?そう考えてみると、はっきりと変わったかどうかはわかりません。そもそも自分自身の価値観がどのようなものなのかもわかっていないのかもしれません。ですが、実際に、最初にムンバイに到着した日にバスの中から見える景色。。小さい子供が道路脇で眠っていて、自分の妹よりも小さな子供が物乞いをしている。言葉では表せない気持ちを感じました。物乞いをされた時の気持ち、物をあげた時の気持ち、断った時の気持ち。どんなに素晴らしい教授が講義をしたとしても、どれだけ文才のある作者が描いた文章を読んだとしても、決して知ることはできない気持ちを、実際に感じることができました。

 先に、インドに抱いていた自分自身のイメージと、目でみたもの、肌で感じたものは異なっていたと述べましたが、それは、僕が勝手に抱いていたイメージ“貧しい人たちは、不幸で、つらい表情をしているんだろう”といったものでした。ですが、スラムで暮らす子供たちや、たまたま出会った数多くの人たちの笑顔は、どれも素敵で、その屈託のない笑顔に多くを考えさせられました。

「幸せってなんだろう?」

日本の方がモノは確実に満たされているし、あらゆる面で快適なはず、なのに、日本人はどこか冷めているし、生きることに辛そうな人が多いじゃないか!今自分自身が考えている“幸せ”は、必ずしも他の人たちの幸せとは限らないんだ。普通に考えれば、ごくごく当たり前なこと「60億人いれば60億通りの幸せの形がある」ということを改めて気づかせてもらえました。ただ、国際協力だ、ボランティアだ、と言っても、それは決して押し付けになってはいけず、相手の文化、環境、様々なことを知り、理解しようと努めること、まずはそこから始めなければならないということを強く感じました。

 また、インドの人たちの素晴らしい笑顔、子供たちの素晴らしい笑顔に心癒されると同時に、インドに行く前の自分が考えていたことで、インドに行って改めて同じような思いを抱いたこともありました。それは、まだまだ彼ら自身で自分たちの現状を変えることは難しく、彼らの現状を変えることができるのは、もしくは、その手助けをできるのは、恵まれた環境にいる私たちに他ならないということです。私自身が、今の学科を目指そうと思ったきっかけの一つに「世界がもし100人の村だったら」という本があります。私は今、大学の教育を受けることができる100人のなかのたった1人であり、銀行に預金があり、家に小銭の入った財布がある世界の上位7%の人のうちの1人です。このことは、日本に暮らしている多くの人たちにとっては、今や当たり前のこととなっています。そして、当たり前であるがゆえに、時に私たちは、当たり前のことが当たり前にできる幸せを忘れがちになってしまっています。ですが、今回このインドでのスタディツアーに参加したことで、この本で読んだことがとてもリアルに感じられ、改めて、自分がいかに恵まれていて、どれだけ幸せな生活を送ることができているのか、この恵まれた環境にいる私たちには、弱い立場にある人たちのために行動する責任がある、ということを強く感じることができました。

 最後に、このスタディツアーに参加して、私はとうていこの数枚の感想文にはおさまりきらない、言葉にできない経験をたくさんさせていただきました。「百聞は一見にしかず、百見は一触にしかず」“生”のインドという国に触れ、このインドという異国の地で懸命にインドの人達と向き合っているスタッフのみなさんと出会い、偶然出会ったツアー参加者のみんなと、時にはふざけあい、時には真剣な話を語り合ったこの11日間は、私にとってかけがえのない財産になりました。
「本当にこの活動は現地の人たちのためになっているのだろうか?」
国際協力やボランティアに従事している人が、常に考え続けていることだと思います。特にこの光の教室での活動は、途上国のインフラを整備するといったような、はっきりと目に見えるものとして成果に現れづらい、難しい活動だと思います。と同時に、本当に本質的な、“人として”大切なコトに真摯に向き合っている魅力的な活動だと感じました。そして、日本に帰った今、強く感じていることがあります。それは、スタディツアーの最終日が、この出会いの別れではなく、新たな始まりであったということです。
スタッフのみなさん、スタディツアーに関わったすべての人に。

「ありがとう、これからもよろしく^^僕も一緒に向き合います^^」

  1. 2012/11/07(水) 00:21:59|
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